2010年8月19日 (木)

高岡市役所官製談合疑惑の報道を繋ぎ合わせて浮かぶストーリー

先日のエントリーの内容から、自分が想像した事件の流れを記しておきます。

事実は往々にして異なるのでしょうけれど。参考までに。

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橘元市長の下、高岡市役所は公共事業の発注先の選定方法を、公平さや価格に問題の出がちな随意契約から競争入札へ切り替えようとしていた。

遺跡発掘調査事業を初めて競争入札に切り替えた2008年、市の担当者は不慣れさから継続して利用してきた業者に受注させようと談合の依頼をしてしまう。

翌2009年も市の担当者は談合を依頼するが、 北陸航測などは身の危険を感じて打ち合せの内容を録音するようになっていた。

やがて誰がしかから告発が行われて警察が官製談合の疑いで捜査を始める。それに気づいた市役所の管理職は担当職員に説明を求める。次いで警察から市役所への捜査協力要請と、担当職員への任意の事情聴取が行われる。

担当職員は2010年1月末に失踪、3月に遺体で発見される。

警察と市役所の管理職は捜査の過程で担当職員を追い詰めすぎて自殺させてしまったのではないかと考え、事態の隠蔽を始める。

警察は捜査容疑を官製談合から業者間談合に切り替え、市役所を捜査対象から外す。市役所の管理職は警察に捜査協力を依頼されるまで知らなかったと嘘の発表を繰り返す。

6月に業者3社の営業職員が逮捕され、9社が書類送検。内2社が起訴される。

7月に高橋市長により市役所の内部調査が始まる。7月中旬の中間発表で警察の調査協力以前に事件を認識していたことを認める。8月の最終報告で管理体制に問題はあったが、談合関与は確認できなかったと発表。

8月現在、業者間談合として裁判が進行中。

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2010年8月16日 (月)

市役所の罪を民間になすりつけ? - 高岡市役所官製談合疑惑についてまとめてみる

6月頃に業者が逮捕されてから騒がれだした高岡市の遺跡発掘調査に関わる談合事件は、スキャンダラスな要素があるのに報道は少なく、しかも報道機関によって内容や数値にズレがあり、よく分からない事件です。高岡市民としては何を心配しなければならないのでしょうか。

基本的に気になることは次の3点かと思います。

  1. 市のお金が浪費されたのではないか
  2. 官製談合なのに業者間談合とされ、談合業者が余計に刑罰を背負わされようとしているのではないか
  3. 談合の示唆を疑われる市の職員はなぜ死ななければいけなかったのか。他殺の可能性すら考えられる

1 番目はまあ、みんな分かっていることですし、3番目は謎が大きすぎて今は気に留めておくことしかできません。まさに裁判が進行中の2番目が現在一番注目す るべき点ではないでしょうか。市役所の言うことにハイハイと言って従っていたら、いつの間にか懲役1年を求刑されてしまうというのは恐ろしいことです。

この事件に対して県内の報道機関のスタンスは各社大きく異なり、大体2つの系統に分かれています。

1つ目は北日本新聞(ローカル新聞、県内シェア64%)、NHKなどによるもので、おそらくは検察、警察、高岡市役所の意向に沿った報道と見られます。

北陸新幹線建設によって一時的に遺跡調査の発注額が膨らんでおり、それを争う形で業者間で自発的に談合が行われたというのが大体のストーリーで、次の北日本新聞の記事がよくまとまっています。

読みたい知りたい 業界、先細りを懸念 高岡・遺跡調査談合 北日本新聞 webun

平成21年度の高岡市の埋蔵文化財発掘調査にかかった予算は4億357万円。富山市の平成17年度から5年間の予算の合計額に匹敵し、規模の大きさが際立つ。

高 岡市では平成18年度から、北陸新幹線の関連工事が本格化。県道高岡環状線の整備や木津地区のほ場整備事業にも着手し、対象エリアで発掘調査事業が行わ   れた。談合があったとされる「石名瀬A遺跡」「石塚蜻保(とんぼ)遺跡」の発掘作業と航空写真測量など4件の入札は、いずれも県道高岡環状線の区域内の事 業だった。

(中略)

しかし、そんな業界も曲がり角に差し掛かっていた。新幹線は26年度末までに開業。県道高岡環状線の関連調査もその前に完了する。発掘調査の発注は激減することが予想される。携わってきた専門業者にとっては、今後の受注確保が大きな課題だった。

ある捜査関係者は「今回の事件は、先行きの不透明な業界に不安を感じた業者が自らの利益を確保するため、入札ごとに落札者を調整し、落札価格を不正に高く誘導したのではないか」と話す。

一方、読売新聞(県内シェア22%)、チューリップテレビ(ローカル民放)、北日本放送(ローカル民放)などによる報道は独自取材により高岡市主導の官製談合が行われたのではないかと疑うもので、高岡市役所の責任を強く追求しています。

高 岡市は8月9日の調査結果発表で談合に市が関わった可能性を完全に否定しました。しかし、市の職員による談合の示唆の録音を民放各社がニュースで放送して おり、 それを聞いた者は市が談合に関わっていないなど、ちょっとやそっとでは信じることができません。警察の捜査方針は高岡市の担当職員の死亡を境に官製談合か ら、高岡市の責任を追求しない業者間談合に切り替わってしまったと言われます。次の読売新聞の特集記事が代表的な、それに疑問を呈する報道の例です。

地中の談合(上) 業者「天の声あった」 読売新聞

■CD —Rの声 「うまく業者間で調整せい」。昨年6月22日、高岡市文化財課二上分室(高岡市守護町)で、男性職員が北陸航測の堀井容疑者に指示  を出す生々しい声が、1枚の書き込み可能CD(CD—R)に収められている。同7月2日に行われた下佐野遺跡の調査関連事業の入札を控えていた。

同社は男性職員から呼び出しがあり、「何らかの指示があると思った」(森宏志社長)と察知し、録音したものだ。この中で、堀井容疑者は、返す言葉を濁していたが、男性職員は「営業同士、仲いいだろうから話し合って」と畳みかけていた。

男性職員は約15年前から埋文調査関連事業の発注に携わってきた。別の市職員は「調査の設計から、(入札の上限となる)予定価格の見積もりまで手がけ、文化財課では彼の判断に任せる風潮があった」と明かす。

■全国初の摘発 入札を前に、指名業者の会合がホテルで開かれ、市の担当職員が役所の施設に業者を呼び出し、事前調整を指示する——。高岡市の埋文調査関連事業の入札がなぜ、ここまで曲げられてしまったのか。

「脱談合を掲げていたうちの会社から逮捕者が出たことは残念だが、市側の『天の声』は確かにあった」。北陸航測の森社長は嘆息する。

報道機関のシェアを考えると富山県内の多くの人は「また欲深い業者が公共事業を食い物にしたんだなぁ」と受け止めている可能性が高そうです。

裁判の報道を見ていると、北日本新聞らの描くストーリーで裁判が進んでいるように思われます。

しかし、批判を行なおうにも報道が細切れにで事件の概要が今ひとつつかめません。

参考のため事件の概要を自分なりにまとめてみたいと思います。参照した報道機関ごとに内容と数値にズレがあり、もっともらしいものを適当に選んだので正確ではない可能性があります。正しい数値は将来の報道を見てください。

高岡市の遺跡発掘調査談合事件

  • 談合が疑われる事業

談合の疑いで裁判になっているのは、2008年6月に入札が行われた高岡市発注の市内2か所での遺跡発掘調査と航空写真測量合わせて4件の入札。

談合は2008年5月30日に行われた。談合で落札業者を決めた入札は5件。

高岡市の発表では警察に取調べを受けているのは8件。市が適性と断定できなかったのは6件

報道では県道高岡環状線と新幹線予定地と瑞龍寺周辺の話が出てくる。

平成21年度の遺跡調査全体の予算総額は4億357万円

  • 談合が疑われる業者

-逮捕、起訴

北陸航測(高岡市) 営業部次長 堀井隆さん(40) : 新規に売り込み。市職員に談合を命じられる

エイテック(高岡市) 営業部長 般若真さん(36)  : 同事業を継続的に担当してきており市職員はこの会社に受注させたい

-逮捕、その後嫌疑なしか嫌疑不十分かが不明

ナチュラルコンサルタント(野々市町) 営業部長兼富山営業所長 畠義晴さん(60)  : 嫌疑なしなら名誉回復は?

-書類送検

北建コンサル(高岡市)、建設技研コンサルタンツ(高岡市)、アーキジオ(高岡市)、中部コンサルタント(高岡市)、上智(砺波市)、日本海航測(金沢市)、太陽測地社(野々市町)、毛野考古学研究所(前橋市)、ユニオン(岐阜市)

県内外の12社が入札に参加、3社から逮捕者が出て、9社が書類送検。内2社、2名が起訴された。報道は見かけないが、人数から見て逮捕されたうちの1社は談合に参加していなかったが受注に成功した会社を誤って逮捕した可能性が高い

談合で決めた入札は5件。エイテック2件、北陸航測2件、他社1件。他社の1件は落札されず、談合に参加していなかった業者が落札。裁判になっている入札はエイテックと北陸航測の落札した4件

  • 談合の教唆が疑われる高岡市の職員

文化財課 副主幹(課長と部長の間くらいの役職だろうコメント欄の方によると課長より下の役職で、決裁権もないという) 山口さん(当時57)

遺跡に対する知識が深く、情熱もある。知識では業者もまわりの職員も誰もかなわない。

他の案件だが、発注前に作業を行わせたことがある。一緒に九州まで見学旅行に出かけたことがあるほど業者と仲が良い。

2010年1月末に失踪し、3月に遺体で見つかる。庄川の河口、新湊漁港で見つかる。北日本新聞のみ3kmほど東の富山新港と報道。

警察は官製談合として捜査していたらしいが、担当職員の死亡を機に、業者間の談合に捜査方針が切り替わり、現在ものその線で裁判が行われている。

  • 高岡市役所の対応

市側は当初警察に4月下旬に警察に捜査協力を依頼されるまで全く知らなかったという主張を繰り返したが、7月の記者会見で、市職員が警察に事情聴取を受ける前にその職員に説明を要求していたことを認めた。市の責任者もある程度は認識があったと思われる。

ウ ソの説明を繰り返した理由について、坂下照夫・総務部長は、「4月の捜査協力の際、警察から慎重な対応を望まれた」と釈明。また、氷見教育長は、男性への 県警の聴取内容と、今回の事件となった業者間の談合とは別件と判断したと、苦しい解釈を示した。(2010年7月22日 読売新聞)

市役 所が自主 的に調査を行ない、8月の市議会の議員説明会で行われた最終報告で発表された内容は、2005〜09年度の埋蔵文化財関連事業の委託業務188件のうち、 事件で県警に資料提出した8件を除く180件を検証。96件の国庫補助事業は今回対象外で追って調査する予定。職員の関与を完全に否定。

  • 市職員による談合の指示

北陸航測の堀井さんは裁判になっている競争入札の翌年2009年6月22日。2009年7月2日の入札に対する談合を指示された時の会話を録音していた。その内容をおそらく自ら県内のマスメディアに開示したと思われ、その内容が県内民放のニュース番組で放送された。

 市職員「本当のところあれは調査を担当したが随契(随意契約)したかったんだよ。だけどいま随契全部あかんというから」

 市職員「エイテックがやったん。そこに随契したかったん、はっきり言うけど」

 市職員「また話し合ってよ、それぞれ営業同士仲いいだろうから」

 堀井さん「いやー、営業同士仲良くないですよ」

 市職員「仲良くしてください横の連絡だから」

この録音は裁判となっている事件のものではないが、北陸航測が何らかの危険を感じて身を守るために録音を行ったものと思われる。

  • 市長

2009年7月まで橘慶一郎前市長。現在自由民主党所属の衆議院議員。

それ以降高橋正樹市長。

市の調査は高橋現市長の下行われた。

事件は橘前市長の下で起きた。ただ、慣例だった随意契約を競争入札に切り替えさせたのは橘市長の功績と思われる。

  • 犯した法律

業者は刑法で、談合を指示した市職員は公正取引委員会の管理する新しい法律で裁かれる。

刑法96条を見る限り、談合を行ってしまったら罪になるというだけの法律で、業者間談合に比べて官製談合をやってしまった業者さんの情状酌量がどの程度認められるのかは法律の素人にはよくわからない。他の事件の報道を見ると指名停止処分の長短は斟酌されるらしい。

刑法 第2編 罪 第5章 公務の執行を妨害する罪

(競売等妨害)

第96条の3 偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札の公正を害すべき行為をした者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。

2 公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、前項と同様とする。

入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律

(職員による入札等の妨害)

第 八条 職員が、その所属する国等が入札等により行う売買、貸借、請負その他の契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事   業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは、五年以下の   懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。

以上

次のエントリーで私の推測をまとめてみました。

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2009年10月19日 (月)

ハイブリッドカーは強制的にヘッドライトを点けたらどうだろうか -- 騒音の付加には反対

歩行者に接近を気づかせるために人工的に音を付加するべきだという議論を見かけますが、ついに15日に政府の委員会から提案として出されてしまいま した。これはあんまり筋のいい解決方法だと思えません。せっかく減らすことがで きた騒音をわざわざ付け加えるのは無駄でしょう。プリウス発売直後から見られたこの要望が10年実現していないところを見ると、結構多 くの人が静かな方がいいと思っているのではないでしょうか。

HV車 人工音義務付けへ  歩行者の安全確保

 「静かすぎて危険」との指摘が出ているハイブリッド車(HV)や電気自動車の走行音について、対策を検討してきた国土交通省の委員会(委員長=鎌田実・東京大教授)は15日、新車にエンジン音に似た人工音を付けることを義務づけるなどの対策案をまとめた。

ハイブリッド車等の静音性に関する対策検討委員会では、真剣な議論がなされているように見受けられますが、第一回検討会の資料2「ハイブリッド車等の交通事故実態について」(PDF)において指摘されている、

  1. 日本盲人連合会、自動車メーカー各社では静音性に起因する事故の発生は確認されていない
  2. 従来のガソリン車と比べて事故率は同等

というのが間違っていないのなら、政府が規制を設けるというのは行き過ぎでしょう。

もし改善しなけ ればならないのなら光を用いた方法がいいと思います。バイクがヘッドライト常時点灯になったのと同じ理屈で、光で存在を周囲にアピールするわけです。具体 的には15km/h以下の速度で電気モーターのみで走行する時は強制的にヘッドライトを点灯するようにすればいいと思います。

補助的な手段としてなら、発進時や交差点で点滅させるウインカーに古い車のような派手目のリレー音を付与するとか、運転席から外部に話ができるようなスピーカーをつけるようにするというのも有効だと思います。

・メリット

こ の方法なら今すぐ実現可能だということが最大のメリットです。スピーカーを新設もしないし、オンオフの判断もガソリンエンジンと共用できるので新規セン サーも不要です。なので実装にたいしたコストがかかりませんし、車重も増えません。多分ECUのソフトウェア変更程度で済むんじゃないでしょうか。

将来において効果が不十分と判断されたときでも、大して害はありません。これが音を使った対処ならただのご近所迷惑になってしまいます。

高齢者の多いご時勢、視力の弱い人よりも耳の遠い人のほうがずっと大勢歩いているはずです。聴覚情報が減った分、まず視覚できちんと情報を伝えるというのは難聴者が助かるという意味でも間違っていないと思います。

・デメリット

ヘッドライトをそのように使うという習慣がないので、機能の存在が浸透するまでそれをパッシングだと勘違いする人が出るかもしれません。

これは周知を図って慣れてもらうしかなさそうです。

・視力の弱い人対策

よく危険の例として挙げられるのがこの理由です。

さきほど補助的な手段として提示した、ウインカー動作時のリレー音を大きくして、それで気づいてもらうのはどうかと思います。発進時、右左折時は必ずウインカーを出すようにドライバーは徹底しなくてはいけません。

せっかく静かになってきた道路をまたうるさくしてほしくありませんし、意義の薄い規制もこれ以上増やしてほしくないと思います。

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2009年10月13日 (火)

相本芳彦さんの後援会事務所ができていた

先日の衆議院議員選挙で落選した相本芳彦さんの後援会事務所の看板が日通の高岡支店内に立っているのを見つけました。

民主党県議会議員の山上正隆さんと同じ場所のようです。生存確認って訳でもないですが、ちょっと安心しました。

そこは、今度射水市議会議員を引退される呉松ふくかずさんの元職場だったところで、呉松さんはそこで労組の役員、社会党員として活動されていたそうです。やがて社会主義に幻滅して民主党に転向されるのですが、そのときに日通高岡支店も一緒に民主党に転向したのではないかと思われます。

相本さんも、みんなの党推薦の柴田巧さんも、選挙で敗北が決まると早々にブログを止めてしまいました。落選した翌日から次回の選挙に向けて辻立ちするのがいいとも思わないけれど、運用コストがタダみたいなブログまで放棄するのはいかがなものでしょう?

東京で落選した社民党議員、保坂展人さんのブログエントリ「議員会館の資料の片づけをしながら思うこと」なんて前向きな姿勢が感動的です。相本さん、柴田さんが今後どうする予定なのかは知りませんが、情報発信は続けてほしい気がします。

自民党でも橋本岳さんのtwitterは続いていますし、富山県でも高岡市長選で敗れた向井英二さんのブログは日記にまぎれて時々興味深いエントリがあがっていますし。

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2009年8月19日 (水)

相本芳彦さんに気づかされたこと

1989年、学校祭の座談会企画で北日本放送の名物アナウンサーだった相本芳彦さんに来ていただいたことがありました。
相本さんが今度の衆議院議員選挙に出馬したことでその時のことを思い出したので書き記してみます。いまどきの若者についてというようなトークテーマだったと記憶しています。

そのとき相本さんが学校祭に呼ばれたということにちなんでこんな様なことを言ったのを覚えています。

   相本さんが高校生のとき学校祭で政治をテーマとした展示を行った。
   怖いもの知らずでその当時総理大臣だった田中角栄にアンケートの手紙を送った。
   忙しそうな時期だったので返信があると思わなかった。
   飛行機の機中で書かれた直筆の手紙が返ってきた。
   手紙の内容に感動した。
   私は今でも田中角栄が悪い人だと思えない。

田中角栄がなぜ忙しかったのか、どういう内容の手紙をもらったのかは残念ながら忘れてしまいました。

その頃の新聞やテレビでは田中角栄は悪人だ、金権政治の元凶だという報道で埋め尽くされていました。そういう報道が10年以上にもわたって続けられてきた時代でした。
その影響なんでしょうけど、自分としては"田中角栄は悪い人"というのは鉄板の常識になっていました。
その常識をテレビでニュースを読んでいることもある人が、たいした根拠じゃないとはいえ否定して見せたことはすごく意外な出来事として記憶に残りました。

今となれば田中角栄は単純に非難されるべき人物でもないと、いろいろな角度からの検証を目にすることができます。政治の主導権を選挙の洗礼を受けない公務員から政治家に移したのは田中角栄だからこそなしえたことでしょう。東大法学部閥の官僚と官僚出身の政治家に牛耳られていた政治に一区切りをつけた中卒の党人政治家だったわけです。今回の選挙で民主党が掲げる5原則の1番目を40年前に実現しようと戦った先達だったと見ることもできます。

相本さんに気付かされる前も、理屈で事実かどうか見当がつく科学報道については新聞やテレビが結構いい加減なことを言っているということくらいは分かっていたのですが、それはきっと報道関係者がみんな文系だからだろうと思っていました。
毎日主要な題材として扱っている政治の分野についてはこの人たちは専門だろうからと、最初から疑うことすら放棄していたわけです。
そこを疑ってみるきっかけを与えてくれたのが相本さんでした。

それから20年経ち、新聞やテレビは眉に唾をつけて見なければいけないということは常識になってきました。
いま、田中角栄のような目にあっているのは分かりやすいところでは麻生総理でしょう。漢字の読み間違いだとか、通っているバーが高級だとか、どうでもいいことで総理大臣の資格がないように非難されています。そういうノイズを取り除いて麻生総理の評価をするのがすごく面倒くさい状況です。

相本さん自身も、退職した北日本放送からできる限りニュースで取り上げないようにされるなど、その洗礼を受け始めています。

投票する者としては報道を正しく読み取って判断をしなければならない、とは思うのですけれど、まあ難しいものです。

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